「博士の愛した数式」 小川洋子
えーしばらく吉田篤弘さん系で行こうかと思ってたんですが…
勧められて、気になったんで読んでみました。
あらすじ
シングルマザーで家政婦をしながら暮らしている「私」は、とある年老いた未亡人の義弟の家政婦として雇われることになる。
義弟は64歳で、若い頃、数学専門の大学教師だったが、事故が元で記憶が80分しか持たなくなっていた。
義弟のことを、「私」とその息子は博士と読んだ。
そんな博士の処世術ともいえる癖は、会話に数字や数学を織り込めることで、「私」も博士から靴のサイズや電話番号等の数字を聞かれる。
最初は戸惑いながらも、家政婦業を行っていたが、博士と話をするうち、数字に関する深い愛情と慎み深い遠慮に、親しみを持つようになる。
そんな中、ふとしたことから「私」の息子の話がになり、子供は親の元にいなければならないという博士の強い要望により、仕事場である博士の家に息子を連れてくるようになる。
博士は子供をいたくかわいがり、「ルート」とあだ名を付けるのだった。
その後、ルートは「私」の仕事場に来るようになり、博士に「私」に息子の「ルート」の3人の静かで不思議な生活が始まる。
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読了
第1回本屋大賞を受賞したのですね。
静かで暖かみのある世界観がなんとも素晴らしいです。
物語としては、殆ど外に出ない博士と、その家事をしている「私」の話ですから、閉じた世界になっていて、基本的に起伏は緩やかなものになっています。
静かに淡々と進んでいく感じ。
数学をどのように読み物として、またストーリーのキィとしているのか、読み始めるまでさっぱり想像がつきませんでしたが、見事に数字が物語に入っているばかりか、数字が物語に深みを与えているのに驚愕しました。
博士に数字を語らせると、無機的な数字の羅列が凄く有機的なものに代わり、今までそっぽ向いてたような数字がとたんに身近で親近感が沸くようなものに変化します。
なんと気持ち良いこと。
数字や公式で、自分の気持ちや意思が伝えられたり、こんなに会話ができるなんて思いもよりませんでした。
数学者が全員ロマンチストに見えそうになるほどですww
後半からは次第に色んな事が起こりますが、基本暖かな眼差しは変わらず、最後にはそれなりの解があり、読後感もスッキリとしたものでした。
映画も良さげなので、見てみたいですねぇーw
ところで、何故か博士の顔にアインシュタインをイメージしてしまいましたが・・・
数字の世界の人間ではあるのでしょうが、数学者ですらないのになぜ?

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